■第3回宝塚歌劇鑑賞会
日時/令和2年1月19日(日)
場所/宝塚大劇場
雪組公演/
『ワンス アポン ア タイム イン アメリカ』 
セルジオ・レオーネ監督による同名映画(1984年公開)の世界初のミュージカル化 
《主演》望海 風斗 真彩 希帆  脚本・演出/小池 修一郎
                            報告者:大浦 綾子(22期)
「宝塚歌劇鑑賞会」も第3回を迎え、お馴染みの皆さまに加えて、毎回新しいお顔ぶれも増え、楽しい鑑賞と語らいの場となってまいりました。今年も、大先輩堀江眞三人さん、神田田鶴子さん(2期)をお迎えし、40歳以上年齢の離れたメンバーで感動を共有し、笑顔で再会を期することができたのも、同窓会ならではの恵みとしみじみと心に強く感じた一日でもありました。また、遥々松江からご参加くださった方もあり、年始めのご夫婦お揃いのお出かけと決めていらっしゃる方もあり、改めて「宝塚歌劇」の魅力を痛感しているところです。「美しい世界を楽しんだ」「ダンスが進化している」「現実逃避で素敵な男性を沢山鑑賞した」「夢の宝塚の世界を愉しんだ」「7月の雪組公演も見たい」「今年も華やかでカッコイイ〜タカラヅカを堪能した」「来年もぜひ来たい」とのお声をいただきました。
今回の作品はセルジオ・レオーネ監督・脚本、ロバート・デ・ニーロ主演のギャング映画をミュージカル化したもので、演出家小池修一郎氏自ら「お正月公演としては苦みのある作品」「宝塚歌劇としては少し異色」と語られている通りの、ズシリと重い作品でしたが、見事な場面転換にぐいぐいと引き込まれていきました。この場面転換と役者の動きは、一拍のずれも許さない正確さで、まるでオーケストラによる交響曲を体感しているようでした。それは終盤のレヴューに集約され、26段の大階段を用いてのフィナーレへと昴まり、最後に望海風斗の大きな「背負い羽根」を目にしたときは、何か胸の底から湧き上がるものを抑えきれず、拍動が強まり、目頭に熱いものまで感じていました。
さて、映画のミュージカル化と聞けば、公演に先立って映画を見ずばなるまいと、DVDを中古で買い求め、見始めたのですが、全編229分という長丁場と、醜くて哀しいほどに残酷な映像に、前半が終わったところで挫折してしまいました。そして、映画とは切り離して、先ずは宝塚の美しい舞台を鑑賞しようと思い直して、観劇に臨みました。
もちろん、宝塚の舞台には醜さのかけらもありませんでした。しかし、哀しさは十分に伝わってきました。ヌードルとマックス。ギャングの使い走りをしていた移民の少年たちが、それぞれの才覚で、強いものに利用され、また利用しながら、闇社会でのし上がって行きます。考え方の違いから二人は度々ぶつかり合いますが、お互いを尊重する気持ちは持っています。ある日、マックスの死によって、二人の関係は切り裂かれたかに見えましたが、30年後、実は生きていたマックスとヌードルは思いがけない再会を果たします。重罰を避けるためマックスを裏切って警察に情報提供し、彼を死に追いやったと思い込み苦しんでいたヌードル。ヌードルの想い人を奪い取り、自身は権勢をほしいままにする地位に上り詰めながらも、生きる意味を見失っているマックス。そしてヌードルに自分を殺してほしいと頼むマックス。それを拒むヌードル。罪深い行為も悲惨な環境も捨象され、二人の哀しいひたむきさだけが浮かび上がるラスト。これこそ「宝塚」なのだと納得したのでした。
翌日、映画も落ち着いて最後まで鑑賞しました。今度は、ロバート・デ・ニーロとジェームズ・ウッズの表情から繊細な哀しみも読み取れ、こうして「宝塚」駆け出しの珍道中も無事終了しました。
歌劇鑑賞後はこれも恒例の「宝塚がんこ」での昼食会へと向かいました。最高齢の堀江さんに乾杯のご発声を賜り、和やかに会食が始まりました。松本会長からは、劇中の言葉を引用して、「『切れぬ縁もあれば、切れる縁もある』というセリフがあり、妙に納得して自分の人生を考え込んでしまったが、ここにお集まりの皆さんは、皆、切れぬ縁の代表格の皆さんだ」というご挨拶がありました。
近畿双松会「宝塚歌劇鑑賞会」は、ご家族・ご友人と共にお気軽に参加していただける会です。来年のお越しも楽しみにお待ちしております。
 
◆参加者は下記の32名。(敬称略)堀江眞三人・神田田鶴子(2)、佐々木悦子(9)、押田良樹・今井洋子(11)、齋藤丸子(14)、松本耕司・森藤哲章ご夫妻(16)、小田一美ご夫妻(18)、佐野和子・三好資子(20)、大浦綾子・大浜緑・鶴羽孝子(22)、小松久美子・西村充子・松本幸子・山口紀子(23)、瀬戸口二三子(24)、小林宏・京子(25)、前羽香江(26)、井上千哉子・吉城多恵ご家族・千葉潮(30)、今西亜子(43)、楠本紀子&ご友人(ゲスト)


松江市から贈られた「松江市・宝塚市友好の桜」
分けて記念撮影
受付ご苦労様
宝塚がんこで遅い昼食会
2期の堀江眞三人さんの音頭で乾杯
なんと87歳にして初鑑賞とのこと