松江藩の財政建て直しに大きく貢献した朝鮮人参の栽培に命を懸けた、小村新蔵、茂重父子をモデルにした力作です。父子の苦難の物語ですが「おんぼらー」とした出雲弁が散りばめられた温かみのある作品でもあります。他に石見銀山を題材にした短編3編が収録されています。郷土理解の一冊として、ご一読をお勧めします。