第7回 「文楽」鑑賞会
・日時:平成24年7月22日(日)午後2時〜6時
・会場:国立文楽劇場
報告・松本耕司(北4=高16)
文楽鑑賞会も7回目、最初の頃よりは参加者も減りましたが、今年もゲストを加えて17名の方のご参加がありました。
橋下大阪市長の方針で国立文楽劇場の運営が大きく揺れる中でしたが、7年継続の実績から文楽劇場の皆様にもあたたかく迎えられ、楽しく観賞することができました。
観賞演目は、夏休み特別公演中で日中で終わる演目を選び、個人の好みは関係なしで観賞していますが、それだけに今年も日頃は見ることのない演目を見ることができました。
■夏休み文楽特別公演「名作劇場」
●『摂州合邦辻』(せっしゅうがっぽうがつじ)/合邦庵室の段
大名家の継母(玉手御前)継子(俊徳丸)の恋?にお家騒動(なぜ、玉手は俊徳丸に目の見えなくなる毒を盛ったのか?)、これを知った清廉潔白で頑固親父の父、合邦は不義?の娘、玉手に怒りの刃を突き立てる・・・など、最後まで話の筋は分かりにくいのですが、死にいく玉手が語る事の真相に、江戸時代の観客は貞女の鑑として拍手喝采を送ったのです。
このややこしい筋立て、限られた紙面では説明しきれませんが、皆様も是非、劇場に足を運んでください。
天王寺の近辺に「合邦辻(がっぽうがつじ)」という辻があるそうですが、皆様、ご承知ですか? そう言えば近鉄にも「俊徳道」という駅がありましたね。関係があるのかないのか、確認の必要がありそうです。
●『伊勢音頭恋寝刃』(いせおんどこいのねたば)/油屋の段・奥庭の段
伊勢の参宮帰りで賑う古市を舞台にした夏狂言の代表作で、妖刀「青江下坂」が引き起こす「奥庭十人斬り」では斬られた首が飛ぶわ、足が飛ぶわといった最後の大スペクタクルが待ち構えていました。
●『契情倭荘子』(けいせいやまとぞうし)/蝶の道行
この世で結ばれなかった恋人たちが死出の旅路を蝶の姿となって舞い遊ぶ。しかし蝶の寿命ははかないもの、やがて地獄の責め苦を受ける運命が・・・。文楽では珍しいファンタジー。
しかし、今回はあらためて、文楽を観賞するということは、我々の心の奥底に今も息づいているだろう江戸期先人たちの道徳観、文化感、価値観を確認することでもあるのだなぁと、深く納得、堪能した4時間でした。
◆参加会員は以下の方々です。(敬称略)
春日敏邦・吉岡通子(高5)、真野透ご夫妻、佐々木悦子、木村八重子、清水良子(高9)、加藤巡一ご夫妻(北2=高14)、土田和男・松本耕司(北4=高16)、石橋和代(北48=高60)、楠本範子・宮地登美子・松岡茂。橋本充男(ゲスト)