文楽鑑賞会 7月24日(日) 国立文楽劇場
文楽観賞会も回を重ねて第6回目を迎えました。前年に続き第2部の名作劇場(午後2時開演5時50分終演)を鑑賞しました。
今回の演目は「絵本太功記」で全十三段のうち、「二条城配膳の段」、「千本通光秀館の段」、「妙心寺の段」、「夕顔棚の段」、そして一番有名な十段目「尼ケ崎の段」でした。
主君織田信長に対して謀反を起こした明智光秀一族の悲劇を題材にしたものですが、筋書きの中で印象的だったのは、どのような理由があったにせよ主君に対して謀反を起こした我が子光秀(劇中では武智光秀)を頑なに許そうとしない母さつきでした。親子の情愛より忠義を大切にする、まるで修身の教科書から抜け出したようなさつきの言動に、時代の思想というものを考えさせられました。昨年の「夏祭り浪花鑑」でも放蕩息子に忠義を尽くす人たちに同じような感想を持ちましたが江戸期にはそれが自然に受け入れられていたのでしょう。ともあれそいう理屈は別にして4時間近い長丁場の熱演は
見ごえ十分でした。 当日の参加者は15名でした。