陸上競技・女子3000m障害の辰巳悦加選手(高51=北39期・H12卒)が
新たな目標に向け始動!!


                                    投稿者:松本耕司(高16=北4期)

 わが近畿双松会の最年少会員である辰巳悦加さんは、昨年、彗星のように日本陸上界に登場
(9分57秒02)し、ついには8月の世界陸上大阪大会の日本代表となる快挙を成し遂げたが、
本番では惜しくも水濠で転倒するという残念な結果であったことは、皆様ご承知のとおりである。
 その後、辰巳さんは神戸の(株)ノーリツに入社し、名実ともに近畿双松会の会員として、昨年の
総会でも「北京オリンピックをめざす」と力強く語り、おおいに総会を盛り上げてくれた。

 しかしながら、この春先から不運にも「左足底痛」に悩まされ、長引く故障に十分な練習を
積めないまま、6月28日のオリンピック選手選考会(日本選手権)を迎え、後半、必死の追い上げ
を図るも3位という結果(10分01秒59)に終わり、辰巳さんの北京への夢は叶えられなかった。

 絶対的な走り込み不足を考えれば、出場するだけでも大変だったはずで、私もねぎらいの言葉
をかけなければと思っていたが、レ−ス後の辰巳さんのコメントは「皆さんの期待に応えられなか
った(自分に)落胆している」、「今後のことは、今は何も考えられない」という厳しいものであった
ので、私も出かかったなぐさめの言葉を思わず呑み込んだというのが事実である。

 暫くの冷却期間を置いた後の辰巳さんからの連絡は、日本選手権後は何も手がつかず、
「ボーッ」として過ごしていたが、予定していたバルセロナの国際レースで9分58秒93の本年の
シーズンベストを出してから一気に調子も上向きになり、松江でのリフレッシュ夏休みも効いて、
「秋のシーズンに備え、8月は東北・蔵王や北海道・深川での夏合宿でしっかり走り込んでくる」と
いう、誠に心強いものであった。

 一方、北京の本番では日本の第一人者の早狩実紀選手(京都・光華AC)も、予選1組の16位
(9分49秒70)で姿を消す結果となった。その早狩さんもこの結果に「満足していない。(必ず)
挽回する」とレ−ス後に語っている。北京に行った早狩さんも、行けなかった辰巳さんも、誰も満足
などしていないのがすばらしい。

 オリンピックも終わり、これで陸上界は来年の世界陸上ベルリン大会、そして4年後のロンドンへ
向けた流れが加速していく。辰巳さんにとって平坦な道でなどあるはずがないが、今後は一年一年
を勝負と考え、辰巳の名前をさらに高め、固めていって欲しいと思う。
 そのためにも、まずは来年、今年3位に泣いた日本選手権で早狩選手を破り、この種目の日本の第一人者となってもらいたいと、北高陸上部の素人先輩としては強く願っている。

 昨年来、辰巳さんを応援いただいている近畿双松会の会員の皆様には、ご報告が遅れて大変
申し訳なく思っているが、以上のように辰巳さんは挫折を乗り越え、再び、元気に新しいスタートを
切っていることをご報告し、引き続き、あたたかいご声援を辰巳さんにおくっていただければと、
心よりお願い申し上げる次第である。

                                                                                                         以上

2008年6月28日 川崎・等々力陸上競技場 日本選手権3000m障害での辰巳さんの力走